ブレインライティングとは何か?アイデアを効果的に生み出す方法
- 中小企業診断士 田村雅紀
- 2024年12月6日
- 読了時間: 4分
アイデア創出の場では、「どうすれば効率的かつ質の高い発想を生み出せるのか?」が常に課題になります。ブレインライティングは、その解決策として注目される手法の一つです。本記事では、ブレインライティングの概要、活用方法、具体的なやり方、そしてメリットとデメリットを詳しく解説します。
1. ブレインライティングとは何か?

ブレインライティングとは、複数人が個別にアイデアを書き出し、それを他の参加者がさらに発展させていくプロセスを指します。「話し合う」よりも「書き出す」 ことに重きを置いたアイデア創出手法です。
特に、以下のような状況で有効です:
話し合いでは一部の人だけが発言する
アイデアが出尽くしてしまう
他者の意見に引っ張られて新しい発想が生まれない
ブレインライティングでは、発言の機会が平等に与えられるため、参加者全員がアイデアを生み出すプロセスに関与できます。
2. ブレインライティングはどのようなことに活用できるのか?
ブレインライティングは、幅広い場面で活用可能です。以下はその具体例です。
(1) 新商品開発
商品のアイデアを出し合う際、特定の意見に偏ることなく、多様な視点を取り入れることができます。
(2) 問題解決
現場で直面する課題の解決策を創出する際に、現場の声を広く吸い上げる手段として有効です。
(3) マーケティング戦略
市場分析を基にした新しいキャンペーンや施策を考える際、異なる部署のアイデアを組み合わせることができます。
(4) 組織の改善
働きやすい職場環境や業務フロー改善のアイデアを収集し、具体化するために役立ちます。
3. ブレインライティングのやり方

以下に、ブレインライティングの具体的なプロセスを解説します。
(1) 準備段階
テーマを明確にする解決すべき問題や目標を明確に設定します。 例:「新しい広告キャンペーンの案を考える」「売上アップのための施策を検討する」など。
必要なツールを用意する紙やペン、付箋、あるいはオンラインツールを準備します。
参加者を選定する5~8人程度のグループが最適です。多すぎると意見の収集が難しくなります。
(2) 実施プロセス
アイデアを書き出す各参加者が3分~5分程度で、テーマに基づいて自由にアイデアを書き出します。
アイデアを回す書き出したアイデアを隣の人に渡します。そのアイデアを見て、新たな視点や改善案を加えます。
プロセスを繰り返す全員が全てのアイデアを目にするまで、このプロセスを繰り返します。
アイデアを集約する最後に全てのアイデアを集め、グループ内で共有・評価を行います。
(3) アイデアの選定
評価基準を設定する「実現可能性」「新規性」「コスト」などの基準を設けます。
優れたアイデアを選定するグループで話し合い、実行に移すべき案を決定します。
4. ブレインライティングのメリットとデメリット
(1) メリット
全員が参加しやすい口頭での意見交換が苦手な人でも、気兼ねなくアイデアを出せます。
多様なアイデアが生まれる他者のアイデアに触発されることで、より豊かな発想が生まれます。
時間の効率化各自が同時にアイデアを出すため、短時間で多くの案を集められます。
意見の偏りを防ぐ特定の参加者の意見が過剰に影響を与えることを防ぎます。
(2) デメリット
意見の衝突が直接起きにくい話し合いによる活発な議論が少ないため、場合によっては深い検討に欠ける可能性があります。
最終的なまとめが必要書き出したアイデアをまとめる作業に時間がかかる場合があります。
参加者の意欲に依存する積極性の低い参加者がいると、アイデアの質が低下することも。
まとめ
ブレインライティングは、個々の発想力を引き出し、多様なアイデアを効率的に収集するための効果的な手法です。特に、発言のしやすさや意見の偏りを改善したい場面で大きな力を発揮します。一方で、デメリットとして議論の深まりに欠ける場合があるため、他の手法と併用すると良いでしょう。
アイデア創出が停滞している場合、ブレインライティングを取り入れることで、新たな可能性を切り開く一助となるかもしれません。ぜひ、あなたの組織でも試してみてください。