地元愛が地域を繋ぐ。広島発、地産地消コミュニティビジネスで地方創生を実現する方法
- 中小企業診断士 田村雅紀
- 5月1日
- 読了時間: 8分
「瀬戸内の温暖な気候と豊かな自然に惹かれ、東京から広島へ移住して早数年。都会の喧騒とは無縁の、ゆったりとした時間の流れと、そこで育まれる滋味深い食材の数々に、毎日感動する日々を送っています。」
東京でのマーケティング経験を活かし、広島の素晴らしい魅力を発信したい。そう強く感じている私だからこそ見える、地産地消の可能性と、それを地域活性化へと繋げる道筋について、熱い想いを込めてお伝えしたいと思います。
なぜ広島で地産地消は広がらないのか?移住者だからこそ感じる課題

豊かな食材に恵まれた広島県ですが、東京にいた頃の感覚からすると、地産地消の動きはまだ十分に広がっているとは言えません。その背景には、いくつかの要因があると感じています。
生産者の情報発信不足
素晴らしい食材を作っているにも関わらず、その魅力が消費者に十分に伝わっていないケースが多く見られます。「どこで、誰が、どのように」作ったのか、という情報が不足しているため、消費者はスーパーに並んだ全国的な商品と、地元のものとの違いを認識しにくいのではないでしょうか。
販路の制約
地元の小さな生産者は、販路を広げるためのノウハウやリソースが不足している場合があります。JAや道の駅といった既存の販路に頼らざるを得ず、結果として、消費者の目に触れる機会が限られてしまっている可能性があります。
消費者の意識
地元の食材に対する関心が低い、あるいは「地元のもの=少し高い」というイメージを持っている消費者もいるかもしれません。価格競争が激しい現代において、多少高くても地元のものを選びたいと思わせるだけの魅力が、十分に伝わっていないのではないでしょうか。
コミュニティの希薄化
都市部だけでなく、地方でも核家族化や高齢化が進み、地域住民同士の繋がりが薄れつつあります。地産地消は、地域コミュニティの活性化と深く結びついていますが、その土台が揺らいでいることも、普及が進まない一因かもしれません。
東京から来た私にとって、広島の食材はどれも新鮮で、ストーリーに溢れています。しかし、その魅力が十分に伝わっていない現状は、非常にもったいないと感じています。
なぜ今、地産地消が広島を救うのか?五感で感じるメリット
それでも私は、広島の地産地消には大きな可能性があると確信しています。なぜなら、地元のものを地元で消費することには、計り知れないメリットがあるからです。
新鮮で安全な食材
地元で採れたばかりの新鮮な食材は、輸送にかかる時間やコスト、エネルギーを削減できます。また、生産者の顔が見える安心感は、食の安全に対する消費者の意識が高まっている現代において、大きなアドバンテージとなります。
地域経済の活性化
地元の食材を選ぶことは、地元の生産者を直接応援することに繋がります。生産者の所得向上は、新たな投資や雇用を生み出し、地域全体の経済を活性化させる原動力となります。
食文化の継承
その土地ならではの食材や食文化は、地域の歴史や風土を反映した大切な財産です。地産地消を推進することで、これらの食文化を次世代へと繋いでいくことができます。
環境負荷の低減
長距離輸送を減らすことは、CO2排出量の削減に貢献し、地球環境への負荷を軽減します。地元の資源を大切に使う持続可能な社会の実現に繋がります。
コミュニティの再生
地産地消は、生産者と消費者、地域住民を結びつける力を持っています。食を通じて交流が生まれ、地域への愛着や誇りが育まれることで、活気あるコミュニティが再生されます。
瀬戸内海の魚介類、山の幸、温暖な気候が育む果物や野菜。広島には、全国に誇れる素晴らしい食材がたくさんあります。これらの恵みを活かし、地産地消を推進することは、広島の未来を明るく照らす灯火となると信じています。
地産地消を地域活性化につなげるための3つの施策
では、具体的にどのように地産地消を進め、地域活性化に繋げていけば良いのでしょうか?東京での経験と、広島での生活を通して見えてきた3つの施策をご提案します。
施策1:商品に「物語」を持たせる – ストーリーマーケティングの力

単に「美味しい」だけでなく、「なぜ美味しいのか」「誰が、どんな想いで作ったのか」という物語を消費者に伝えることが重要です。
生産者の顔が見える化: ウェブサイトやSNS、イベントなどを活用し、生産者の人柄やこだわり、栽培方法などを積極的に発信します。消費者は、ストーリーを知ることで、商品に愛着を持ち、共感することで購入意欲が高まります。
背景にある風土や文化を伝える: その土地の気候、土壌、歴史、文化などが、食材の味や品質にどのように影響を与えているのかを伝えます。「このトマトは、瀬戸内の潮風を受けて育ちました」「このお米は、古くから伝わる農法で丁寧に育てられています」といった物語は、商品の価値を高めます。
食卓でのシーンを提案する: レシピ提案や、食材を使った料理の写真などを発信し、消費者がその食材をどのように食卓に取り入れられるかを具体的にイメージさせます。「この魚は、刺身はもちろん、煮付けにしても絶品です」「この野菜は、サラダにするとシャキシャキとした食感が楽しめます」といった情報は、購入のきっかけになります。
東京では、商品の機能的な価値だけでなく、その背景にあるストーリーに共感して購入する消費者が多くいます。広島の豊かな自然や、そこで暮らす人々の想いを丁寧に伝えることで、地元の食材はより一層輝きを増すはずです。
施策2:「コミュニティのハブ」を作る – 交流を生む場所づくり
地産地消を根付かせるためには、生産者と消費者、地域住民が交流できる「場」を作ることが不可欠です。
ファーマーズマーケットの開催: 定期的に、地元の農産物や加工品を直接購入できるファーマーズマーケットを開催します。生産者と消費者が直接会話することで、信頼関係が生まれ、地元の食材への理解が深まります。
体験型イベントの企画: 収穫体験、料理教室、食に関するワークショップなどを開催し、食を通じて地域住民や観光客が交流できる機会を創出します。土に触れ、食材を調理する体験は、食への関心を高め、地元の食材の魅力を再発見するきっかけになります。
空き家や古民家の活用: 使われなくなった地域の建物をリノベーションし、地元の食材を使ったレストランやカフェ、交流スペースなどを設けます。地域住民の憩いの場となるだけでなく、観光客にとっても魅力的なスポットとなり、地域全体の活性化に繋がります。
東京には、地域に根差した個性的なお店やコミュニティスペースがたくさんあります。広島の豊かな自然と歴史を活かし、人々が集い、交流できる「ハブ」となる場所を作ることで、地産地消の輪は大きく広がっていくでしょう。
施策3:「ローカル × 観光」で販路を創る – 広域連携による新たな価値創造
地元の食材や食文化を、観光資源と結びつけることで、新たな販路を開拓することができます。
食をテーマにした観光ルートの開発: 地元の農園や漁港、加工場などを巡るツアーを企画し、食材が作られる現場を見学したり、地元の食材を使った料理を味わったりする体験を提供します。
宿泊施設との連携: 地元の食材を積極的に使用する宿泊施設と連携し、地元の食の魅力をアピールします。朝食や夕食に地元の食材を取り入れるだけでなく、食材のストーリーを紹介する工夫も重要です。
お土産品の開発: 地元の食材を使った加工品を開発し、観光客向けのお土産として販売します。持ち運びやすく、日持ちする商品は、地域外への情報発信にも繋がります。
オンライン販売の強化: 地元の食材や加工品をオンラインで販売する仕組みを構築します。地域外の消費者にも手軽に購入してもらうことができ、販路拡大に繋がります。
東京をはじめとする都市部の観光客は、その土地ならではの食体験を求めています。広島の豊かな食資源と観光資源を結びつけ、魅力的なコンテンツとして発信することで、地域経済に新たな活力を呼び込むことができるはずです。
Lit Consulting合同会社だからできること – 地域に根差したマーケティング戦略
私たちLit Consulting合同会社は、東京での豊富なマーケティング経験と、広島への深い愛情を併せ持つ、あなたの街のコンサルティングパートナーです。
移住者ならではの視点: 外からの視点を持つ私たちだからこそ、地元では気づきにくい魅力や課題を発掘し、新たな価値創造に繋げることができます。
地域特性に合わせた戦略: 一律的なマーケティングではなく、広島の風土や文化、人々の特性を深く理解した上で、最適な戦略を立案・実行します。
ストーリーマーケティング: 商品やサービスに込められた想いや背景にある物語を丁寧に紡ぎ、消費者の心に響く情報発信をサポートします。
コミュニティ形成支援: 地域住民や生産者、事業者を繋ぐためのイベント企画や場づくりを支援し、持続的なコミュニティビジネスの発展をサポートします。
ローカル × デジタル: 最新のデジタルマーケティングの知識とノウハウを駆使し、地域内外への効果的な情報発信と販路拡大を支援します。
地産地消は、単なる経済活動ではありません。それは、地域の文化を守り、人々の繋がりを育み、持続可能な社会を築くための重要な取り組みです。広島の豊かな恵みを未来へと繋ぎ、活気あふれる地域社会を実現するために、私たちLit Consulting合同会社は、あなたの情熱をカタチにするお手伝いをさせていただきます。
もし、あなたが広島の地産地消を推進し、地域を元気にしたいと真剣に考えているなら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。あなたの想いを共有し、共に未来を創造していくことを楽しみにしています。