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なぜあなたの指導は響かないのか?“できる部下”が育つ会社に変わるための秘訣

はじめに~こんな間違った方法で部下と接していませんか?~


部下に指導する上司

「うちの社員は言われたことしかやらない」「何度言っても同じミスを繰り返す」「やる気が感じられない」――そんな不満を感じている経営者や管理職の方は少なくありません。


しかし、その原因は本当に“部下の能力不足”なのでしょうか?


実は、部下が伸びない組織には共通した指導の“間違い”があります。それは、「上からの一方的な指導」「結果ばかりを求めるマネジメント」「感情的な叱責」などです。


そして、これらの誤った指導が根付いてしまう最大の理由は、会社全体の企業風土が変わっていないことにあります。部下指導のスキルを一人が学んでも、組織としての風土が変わらなければ、現場で活かされることはありません。


本記事では、地方の中小企業がなぜ組織風土の改革に苦労しているのか、その背景を紐解きながら、「信頼関係を軸とした正しい部下指導法」を解説します。最後には、変革が難しい場合に必要な外部サポートについてもご紹介します。


なぜ地方の中小企業は「変わること」ができないのか?

広島をはじめとした地方の中小企業は、長年の「昭和型マネジメント」に依存しているケースが多くあります。


・年功序列の価値観

・「見て覚えろ」のOJT

・上司=絶対の文化

・「頑張ってるんだからいいじゃないか」の精神論


これらの価値観が根強く残っていると、指導法を見直そうとしても「そんなのは都会のやり方だ」「うちはそれでやってきた」と反発を受け、現場は変わりません。


また、「上司が育っていないのに、どうやって部下を育てるのか?」という問題もあります。中間管理職自身が指導を受けた経験が少ないため、正しいフィードバックの仕方を知らず、結果的に部下との間に溝を作ってしまうのです。


信頼関係を築く指導がすべての基本

部下を指導する上で、もっとも大切なのは「信頼関係」です。信頼関係のない指導は、ただの“押しつけ”になります。


では、どうすれば信頼関係を築けるのでしょうか?


ポイントは3つあります。


傾聴(けいちょう)すること

 話を途中で遮らず、最後まで聞く姿勢を持つ。これだけで「この人は自分を尊重してくれている」と感じてもらえます。


日常の声かけを大切にすること

 「お疲れ様」「ありがとう」「どう思う?」といった一言が信頼の土台になります。


評価ではなく、関心を持つこと

 「成果」だけでなく「努力」や「成長」にも注目し、フィードバックすることで、相手は認められている実感を持ちます。


信頼関係ができていれば、時には厳しい指導も受け入れてもらえます。逆に信頼関係がないと、どんな正しい指導も反発されるだけです。


GROWモデルを活用した指導法



GROWモデルで部下と話す上司

「GROWモデル」とは、部下の目標達成をサポートするためのフレームワークです。次の4つのステップで構成されます。


G(Goal):目標の明確化

 「あなたは何を達成したいのか?」というゴールを一緒に設定します。


R(Reality):現状の確認

 今どんな状況にいて、何が妨げになっているのかを整理します。


O(Options):選択肢の洗い出し

 できること、考えられる手段を一緒に考えます。


W(Will):意思の確認と行動の決定

 「では、何をいつまでにやるのか?」という行動を本人に決めてもらいます。


このモデルのポイントは、「上司が答えを与える」のではなく、「部下自身が考え、決断する」プロセスにあります。自発性と責任感を引き出すことができるため、現代の指導法として非常に有効です。


褒め方と叱り方には“技術”がある

■ 褒めるときのポイント

具体的に褒める:「よく頑張ったね」ではなく、「納期を1日前倒しできたのは素晴らしい判断だった」と伝える。


・即時性を意識する:良い行動はすぐにフィードバック。


・過程を評価する:成果だけでなく、努力や工夫も評価する。


■ 叱るときのポイント

人格ではなく行動を叱る:「君はダメだ」ではなく「今回の報告が遅れたことが問題だった」と指摘する。


・一対一で冷静に伝える:感情的にならず、落ち着いた環境で伝える。


・改善方法を一緒に考える:ただ叱るのではなく、「次にどうすれば良いか?」を一緒に導き出す。


このように、褒め方・叱り方も“スキル”です。上司が学び続ける姿勢を持つことで、組織全体が変わっていきます。


組織風土を変えるために必要なこと

指導法を変えるだけでは、会社は変わりません。根本的には「組織風土」そのものを見直すことが必要です。


たとえば、以下のような取り組みが重要です。


・管理職同士で指導方法を共有し、会社全体で指導スタイルを統一する

・評価制度を「プロセス重視」に変える

・上司に対しても「育成の成果」をフィードバック・評価する

・若手社員の意見を拾い上げる会議体や仕組みをつくる


風土とは「空気」であり、目には見えません。しかし、目に見える仕組みを整えることで、徐々に空気は変わっていきます。


企業単体での変革が難しいときは、外部サポートを活用しよう

実際に風土改革に取り組もうとしても、社内の人間だけでは限界があります。


・客観的な視点が足りない

・どう取り組めばよいかわからない

・抵抗勢力に押し切られてしまう


こうした壁に直面したときは、外部の専門家やコンサルタントの力を借りることが有効です。外部支援者は、感情に左右されずに客観的な診断を行い、段階的な組織改革をサポートします。


また、外部講師による管理職研修や、GROWモデル研修などを導入することで、短期間で意識改革を進めることも可能です。


おわりに

部下の指導に悩んでいるのは、あなただけではありません。そして、その悩みを解決するためには、正しい知識と実践方法、そして風土改革への覚悟が必要です。

とはいえ、日々の業務に追われながら、すべてを自力で進めるのは簡単ではありません。

そんなときは、「Lit Consulting合同会社」にご相談ください。人材育成、組織風土改革、制度設計など、中小企業の現場に寄り添った実践的なサポートを提供しています。

小さな一歩が、大きな変化につながります。「変わりたい」と思った今こそ、行動を始めてみませんか?



リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

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