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売上悩みのポイントは法則を知らないから!?売上に悩む経営者が見逃している点とは?

更新日:4月15日



売上に悩む経営者

「商品には自信があるのに、なぜか売上が伸びない」「リピーターが少なく、新規客に頼りきり」──こうした悩みを抱えている経営者の方は多いのではないでしょうか。実は、売上の伸び悩みには“ある法則”が関係しています。それが、「お客は自然と減っていく」という法則です。この事実を理解していないと、どんなに良い商品・サービスを提供していても、売上の維持は困難になります。


本記事では、「売上の本質的なポイント」と「自然減を防ぎ、売上を安定的に伸ばすための対策」について詳しく解説していきます。


売上のポイントとは?「自然減」という見逃されがちな現象

多くの経営者は、「もっと集客すれば売上が上がる」と考えがちです。しかし、実際の売上に影響を与えているのは、新規客の獲得よりも、既存客の離脱です。


つまり、売上のポイントとは「お客は自然と減っていく」という現象を正しく理解し、その自然減を前提にビジネスモデルを設計することにあります。


「自然と減っていく?そんなバカな」と思うかもしれませんが、これはあらゆる業種・業界で共通して起きている現象です。ではなぜ、お客は自然と減ってしまうのでしょうか?


なぜお客は自然と減っていくのか?3つの理由

お客が減ってしまう原因は、決して商品やサービスに大きな欠陥があるからではありません。ほとんどの場合、以下の3つの理由によって“自然に”離れていくのです。


① 忘れる


人は忘れてしまう

人は時間が経つと、どれほど感動した経験であっても忘れてしまいます。たとえば、あなたがとても美味しいレストランに行ったとしましょう。その場では「また来よう」と思っても、半年、1年と経つうちに記憶は薄れ、行く理由もタイミングも見失います。


同様に、お客様も「また利用したい」と思っていても、何のアプローチもなければあなたの存在を忘れてしまうのです。


② 飽きる

どんなに魅力的な商品でも、何度も同じ体験をすると飽きが生まれます。これは人間の心理的な反応であり、避けることはできません。


③ 卒業する

最後に「卒業する」とは、お客様のライフステージの変化や興味関心の変化によって、商品やサービスのニーズがなくなることです。


たとえば、学習塾に通っていた学生が受験を終えたら、もう通う理由はありません。美容室でも「引っ越し」や「ヘアスタイルの趣味の変化」により通わなくなることはよくあります。


売上に悩む経営者が見逃していること

多くの経営者は「新規顧客の獲得」ばかりに目がいきがちですが、本当に注目すべきは、既存顧客のフォロー体制です。


「お客は自然と減っていく」という事実を理解していないと、顧客が徐々に離れ、売上は右肩下がりになります。そして、それを補うために高い広告費をかけて新規客を呼び込むという、負のスパイラルに陥ってしまうのです。


自然減を防ぎ、売上を安定させるためには?

「お客は自然と減っていく」──これは避けられない現象です。しかし、その現象を前提にしたうえで対策を講じるかどうかが、売上の安定と右肩上がりの成長を分けます。


では、どうすれば自然減を防ぎ、売上を安定させることができるのでしょうか?ここで鍵になるのが、どのようにしたら再来店してくれるのかということです。

お客は感動や喜び、驚きといったものを感じたとき、人はまたその体験を得たいとリピートようになります。ただ機能的価値(商品が便利、安いなど)を提供するだけでは、顧客の心はつかめません。「感情に働きかけ、関係性を育てる」ことこそが、リピーターを生む土壌となるのです。


以下に、自然減を防ぐ具体的な4つの実践ステップをご紹介します。


1.顧客名簿は“関係性の地図”と捉えよ

多くの事業者が顧客名簿を「営業リスト」として扱いますが、実はこれは単なる連絡先の集合ではなく、「お客様との関係性を可視化するための地図」なのです。


たとえば、来店頻度、購入商品、反応のあったキャンペーン、記念日の有無、誕生日、家族構成など。こうした情報を蓄積していくことで、「このお客様には、こんな提案をすると喜ばれるのではないか」という仮説を立てることが可能になります。


お客様を「売上の数字」ではなく「人」として捉えること。そこから、感情に働きかけるマーケティングがスタートします。


2.“思い出してもらう”仕掛けをつくる


思い出してもらうための手紙

自然減の第一の要因である「忘れる」に対応するためには、定期的に“思い出してもらうきっかけ”を提供することが大切です。


ここで大切なのは、ただのセール情報ではなく、「その人の生活の中であなたの存在を自然に思い出してもらえる内容」を意識することです。


たとえば、


・お客様の誕生日に手書きのハガキを送る


・購入から1ヶ月後に「その後いかがですか?」のフォローメッセージ


・商品にまつわるちょっとした小話や裏話をメルマガやSNSで発信


・地域のイベントと連動したニュースレターの送付


これらはすべて、「あなたのことをちゃんと見ていますよ」「忘れていませんよ」というメッセージを込めた、“思い出させるための温かい接触”です。


人は自分のことを覚えていてくれる相手に親しみを感じ、関係性を深めようします。関係を育てる一つ一つの“接点”が、自然減を防ぐ力になるのです。


3.“飽きる”を防ぐには、ストーリーと変化を届けよ

次に「飽きる」への対応です。どんなに良い商品でも、提供の仕方が単調ではお客様は飽きてしまいます。そこで必要になるのが、「変化」と「物語性」です。


たとえば、同じ商品でも、


・なぜこの商品が生まれたのかという“開発秘話”を伝える


・他の顧客の使い方や工夫をシェアする


・季節やライフスタイルに合わせた新しい使い方を提案する


・店主やスタッフの“日常”をストーリーとして発信する


こうした「情報にストーリーを持たせる工夫」をすることで、商品やサービスが“単なるモノ”から“人とのつながりを感じる体験”へと昇華されます。


特に効果的なのは、お客様自身が主役になるような体験を提供すること。顧客の声を紹介したり、イベントに招待したり、手書きのメッセージで思いを伝えるなど、「あなたの存在がこのお店を支えている」という体験がリピート意欲につながります。


4.“卒業する”前に、次のステージを用意する

お客様が“卒業”するのは、ライフスタイルや価値観の変化があるからです。しかし、ここで大切なのは「お客様は卒業しても、別のステージで関係性を続けられる可能性がある」という視点です。


たとえば、


・子ども向けの商品を卒業した親に、家族全員向けのライフスタイル提案をする


・若年層向けの美容サロンが、年齢に応じたアンチエイジングメニューを提案する


・初心者向けサービスを提供したあと、上級者向けのサービスやコミュニティを案内する


つまり、関係性を「点」で終わらせるのではなく、「線」や「円環」に変える工夫が重要です。


お客様の変化を味方につけて、次の物語へと導くことができる企業が、長く愛されるようになります。卒業を恐れるのではなく、新たな出会いの始まりと捉えることが、事業の持続性を生むのです。


売上に悩む経営者へのアドバイス

「売上が伸びない」と悩んでいるなら、それはあなたのサービスが悪いからではありません。「お客が自然と減っていく」という当たり前の現象に対して、適切な対策が取れていないだけなのです。


経営者として重要なのは、常に顧客の行動心理を踏まえて、関係性を維持・強化する仕組みをつくることです。


まとめ:売上の本質は「減る前提」で考えること

最後に、もう一度ポイントをまとめます。


・売上が伸びない原因は「自然減」にある


・お客が減る理由は「忘れる」「飽きる」「卒業する」


・自然減を防ぐためには、顧客名簿の活用と継続的な接点作りが重要


・既存顧客との関係性の強化が、売上安定の鍵


目先の新規獲得に頼るのではなく、今いるお客様を大切にする仕組みづくりに力を入れましょう。自然減を前提に対策を講じることで、あなたのビジネスは確実に安定し、成長していくはずです。


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リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

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