組織強化したい経営者必見!リーダー研修のやり方について
- 中小企業診断士 田村雅紀

- 2024年10月24日
- 読了時間: 6分
現代のビジネス環境では、人手不足や労働力の流動化がますます進み、企業の競争力を維持・向上させるためには、強力なリーダーシップが不可欠です。特に中小企業においては、優れたリーダーの育成は組織強化の鍵となり、経営者にとって大きな課題となっています。しかし、「どのようにリーダー研修を実施すればよいのか分からない」という声も少なくありません。
そこで今回は、経営者が効果的にリーダー研修を行うための具体的な方法について、事前準備から研修のプランニング、講師の選定、さらに研修内容の具体例まで、詳細に解説していきます。
1. リーダー研修の必要性と目的を明確にする

リーダー研修を行う前に、まず重要なのは「研修を行う目的の明確化」です。単にリーダーを育てたいという抽象的な目標ではなく、会社の現状を踏まえて、何を達成したいのかを具体的に定めることが重要です。例えば、以下のような目的が考えられます。
組織の一体感を強めたい:部署間の連携不足を改善し、チームとしての協力体制を強化する。
部下のモチベーションを高めたい:リーダーのコミュニケーションスキルを向上させ、従業員のエンゲージメントを高める。
業務効率を上げたい:リーダーに業務の優先順位を的確に判断させ、時間管理や問題解決能力を向上させる。
さらに、「どのようなリーダーを育てたいのか」も具体的にイメージする必要があります。たとえば、自己中心的なリーダーではなく、部下の成長をサポートし、チーム全体の成功に貢献するリーダーを目指すのであれば、サーバントリーダーシップ(奉仕型リーダーシップ)を重点的に研修で取り入れると良いでしょう。
2. リーダー研修のプランニング
次に、研修プログラムの具体的なプランニングに移ります。ここでは、期間、回数、頻度、内容をしっかりと計画することが重要です。
2.1 研修の期間・回数・頻度
期間:研修の期間は、1日限りのものから数ヶ月にわたるものまで様々です。短期間での集中講義も有効ですが、リーダーシップは一朝一夕で身につくものではないため、長期的な視点での研修プログラムが望ましいでしょう。たとえば、半年間の研修期間を設定し、月1回のセッションを行うなど、学んだことを現場で実践し、振り返りを繰り返すことで、より深い理解とスキルの定着を図れます。
回数・頻度:研修の回数や頻度は、参加者のスケジュールや研修内容によって柔軟に決める必要があります。月に1~2回程度のセッションを実施し、期間内で計5~10回の研修を行うことが一般的です。研修の頻度があまりにも多すぎると、業務に支障が出る可能性があるため、実務に影響を与えないスケジュールを考慮しましょう。
2.2 研修内容の決定
研修内容は、企業の目標やリーダー像に応じて選定します。以下に、リーダー研修でカバーすべき重要な内容を挙げます。
リーダーシップの基本:リーダーとしての役割と責任、チームの目標達成に向けたリーダーシップスタイルなどを学ぶ。
コミュニケーションスキル:部下や他のリーダーとの円滑なコミュニケーションの方法。特に、部下のモチベーションを引き出すコミュニケーションは重要です。
問題解決と意思決定:リーダーとしての重要な役割の一つである問題解決能力を鍛える。また、意思決定に関するスキルも併せて学びます。
チームビルディング:効果的なチーム運営のためのスキルや、チームのパフォーマンスを向上させる方法を学ぶ。
3. リーダー研修を行う講師の選定

研修プランが決まったら、次に考えるべきは講師の選定です。講師をどのように選定するかは、研修の効果に大きく影響します。
3.1 社内人材で行う場合
社内に経験豊富なリーダーがいる場合、その人物を講師として起用することも可能です。社内で行う利点は、企業文化や実際の業務に即した内容を提供できる点です。また、社内リーダー自身が研修を行うことで、リーダー育成の意識を社内全体に浸透させる効果も期待できます。
しかし、社内講師に負担がかかる場合や、十分なスキルや知識を持った人材がいない場合には、外部講師の活用も検討する必要があります。
3.2 外部講師を雇う場合
リーダーシップ育成のプロフェッショナルである外部講師を雇うことも有力な選択肢です。外部講師は最新のトレンドや手法に精通しており、社内では得られない新しい視点を提供してくれます。特に、特定のスキルセット(例:サーバントリーダーシップ、問題解決スキル)の強化を目的とする場合には、外部の専門家を招くことが非常に効果的です。
ただし、外部講師を選ぶ際には、企業文化との相性や、講師が提供するプログラムが自社のリーダー育成に合致しているかを慎重に判断する必要があります。講師との打ち合わせや、事前にプログラムの内容を確認することで、研修の効果を最大限に引き出しましょう。
4. リーダー研修内容の具体例
リーダー研修のプランニングが整い、講師が選定できたら、いよいよ具体的な研修内容に取り組む段階です。ここでは、実際のリーダー研修で取り入れるべきいくつかの具体例を紹介します。
4.1 サーバントリーダーシップ
近年、注目されているのがサーバントリーダーシップです。これは、リーダーが従業員に対して命令や指示を出すだけでなく、むしろ従業員を支え、彼らの成長を助ける姿勢を持つことが重要であるという考え方です。このリーダーシップスタイルは、特に若い世代に有効であり、部下の自主性や創造性を引き出すことができます。
4.2 部下のモチベーションを上げるコミュニケーションの方法
リーダーにとって重要なのは、部下のモチベーションをどのように高めるかです。研修では、モチベーションを上げるための具体的なコミュニケーション手法(例えば、定期的なフィードバックや部下の意見を尊重する姿勢など)を学びます。
4.3 やる気を引き出す指示の出し方
単に業務を指示するだけでは、部下のやる気を引き出すことはできません。研修では、部下が自主的に行動したくなるような指示の出し方を学びます。例えば、ゴールを明確に伝えることや、達成感を感じさせるプロジェクトの分担方法などが挙げられます。
まとめ
リーダー研修は、組織の未来を左右する重要な取り組みです。事前準備、プランニング、講師の選定、そして具体的な研修内容をしっかりと計画することで、経営者が求めるリーダーを効果的に育成することが可能です。組織の成長を支える強力なリーダーの育成は、結果として業績の向上や従業員の満足度向上にもつながります。
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