大多数の人に買わせる法則!ホイラーの法則とは?
- 中小企業診断士 田村雅紀

- 2024年8月14日
- 読了時間: 5分
企業が売上を伸ばすためには、単に優れた製品やサービスを提供するだけでは不十分です。顧客との接点である「セールス」の質が非常に重要な役割を果たします。そのセールスの質を飛躍的に向上させるために、エルマー・ホイラー氏が考案した「ホイラーの法則」は、非常に有効な指針となります。この記事では、ホイラーの法則とは何か、そしてその法則を活用して売上を伸ばすための具体的な方法について詳しく解説します。
ホイラーの法則とは?

ホイラーの法則は、アメリカのセールスエキスパートであるエルマー・ホイラー氏が提唱した5つのセールスノウハウの総称です。ホイラー氏は、セールスの本質を捉えたこれらの法則を通じて、多くの企業や個人に売上向上の秘訣を伝えました。それぞれの法則は、顧客心理を的確に捉え、効果的なセールスアプローチを実現するための実践的なガイドラインです。以下に、ホイラーの法則の5つの公式を紹介します。
ホイラーの法則1:「ステーキを売るな、シズルを売れ!」
この言葉の意味は、単に商品そのものを売るのではなく、消費者がその商品を使ったときに得られる体験や感動を売るべきだということです。消費者が求めているのは商品そのものだけでなく、それがもたらす価値や満足感です。消費者が「買いたい」と思う理由は何か(顧客価値)を見つけ出し、それを売り込むことが重要だという意味です。
例えば、レストランでステーキを注文する際、顧客が求めているのは単なる肉の塊ではなく、その美味しさやジューシーさ、そしてそれを食べることで感じる幸せな瞬間です。マーケティングにおいては、商品の具体的な特徴だけでなく、顧客が感じるであろう感情や体験を強調することが重要です。
ホイラーの法則2:「手紙を書くな、電報を打て」
この法則は、メッセージを伝える際に、簡潔で強いインパクトを持たせることが重要であることを示しています。セールスやマーケティングの場面では、長々とした説明よりも、端的にポイントを伝えることが効果的です。
ホイラーの法則3:「花を添えて言え!」
ここでは、単に情報を提供するだけでなく、それに付加価値を加えることで、顧客に対してより魅力的な提案をすることの重要性が強調されています。たとえば、商品を紹介する際に、その商品がどのように顧客の生活を豊かにするかを示すことで、説得力が増します。
ホイラーの法則4:「もしもと聞くな、どちらと聞け」
これは、選択肢を与えることで顧客に決断を促す技法です。例えば、「この商品を買いますか?」と聞くのではなく、「この商品は赤と青がありますが、どちらが良いですか?」と聞くことで、顧客により購入を促す効果があります。
ホイラーの法則5:「吠え声に気をつけろ」
最後に、この法則は、セールスにおいて顧客に不快感を与えないように、話し方に抑揚をつけるように注意することを伝えています。抑揚をつけて説明することで、相手に重要な部分が伝わりやすくなります。
ホイラーの法則を活用して売上を伸ばす方法

1. 顧客の感情に訴えかけるマーケティング
「ステーキを売るな、しずるを売れ」の法則に従い、製品やサービスが提供する感情的価値を前面に押し出したマーケティング戦略を構築することが大切です。たとえば、食品業界では、製品の品質や安全性をアピールするだけでなく、実際にその食品を食べることがもたらす幸せなひとときを映像やビジュアルで表現することが効果的です。また、SNSを活用して、消費者が製品を使った時の満足感や喜びを共有できるプラットフォームを提供することも有効です。
2. メッセージの簡潔化とインパクトの強化
「手紙を書くな、電報を打て」の法則を活用して、広告やプロモーションメッセージを見直しましょう。情報が過剰に詰め込まれていると、顧客は重要なポイントを見逃してしまいます。広告コピーや製品紹介のメッセージは、シンプルでありながら強いインパクトを与える表現を目指しましょう。また、ビジュアルとテキストのバランスを考慮し、視覚的に目立つデザインを採用することで、より効果的にメッセージを伝えることができます。
3. 提案に付加価値を加える
「花を添えて言え」の法則は、顧客に対する提案を魅力的にするための手法です。たとえば、新しい製品を紹介する際に、その製品がどのように顧客のニーズを満たすか、またはどのように生活を改善するかを具体的に示すことが重要です。加えて、顧客の関心を引くために、プロモーションや特典を付け加えることも効果的です。これにより、顧客にとってその提案が単なる製品紹介以上の価値を持つものとなります。
4. 選択肢を与えて購入を促す
「もしもと聞くな、どちらと聞け」の法則をセールスプロセスに組み込むことで、顧客の意思決定をサポートします。たとえば、Eコマースサイトでは、商品のバリエーションを提示し、色やサイズの選択肢を提供することで、顧客に購入の決断を促すことができます。また、セールスパーソンは、顧客に対して直接的な選択を提示することで、購買行動を引き出しやすくなります。これにより、顧客は自分の選択肢を持っていると感じ、積極的に購入を検討するようになります。
5. 重要な部分を強調する
顧客にセールスを行うときや、店頭POPで商品説明を行うときなどに重要な部分を強調することで、相手に伝えたいことが伝わりやすくなります。話し言葉では、自分の感情をのせて話をすることで、相手を説得しやすくなります。
まとめ
エルマー・ホイラー氏が提唱したこれらの法則を理解し、実践することで、現代のビジネス環境においても競争力を持つことが可能となります。企業の成功は、製品やサービスの質だけでなく、顧客に対するアプローチの質に大きく依存していることを忘れないようにしましょう。ホイラーの法則を活用して、顧客との接点を効果的に活かし、売上を伸ばしていくための第一歩を踏み出しましょう。
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