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中途半端な商品は売れない!「物の豊かさ」から「心の豊かさ」の時代へ!中小企業の経営者が今、知っておくべきこと

はじめに

これまで、消費者は物質的な豊かさを求め、多くの商品やサービスを購入してきました。しかし、時代は変わりつつあり、コロナ禍を経て、その傾向は一層顕著になっています。消費者は「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求めるようになり、単に所有するための物ではなく、自分の心を満たすものに消費をシフトさせています。この消費マインドの変化は、中小企業の経営者にとって重要な考慮点です。この記事では、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」への消費マインドの変化の背景や、その流れに合わせた商品・サービスの提供方法について説明していきます。


消費マインドの変化:なぜ「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へ?


サステナビリティを意識した買い物

1. 物質的な満足の限界

20世紀後半から21世紀にかけて、経済成長に伴い、私たちは物質的な豊かさを手に入れることが容易になりました。しかし、物質的な豊かさが一定の水準に達すると、それが必ずしも幸福感に直結しないことに気づき始めました。大量消費社会の中で、消費者は多くの物を手に入れたものの、それによる満足感は一時的であり、真の幸福感とは無関係であることが明らかになりました。


物が人々にいきわたるようになると、それまで車や家電など最新の商品などを持つことがステータスになっていましたが、今では人と同じものでは無く、自分だけの商品を持つことの方がステータスに感じる人が増えてきています。逆に言えば、洋服など、町で同じデザインの服を着た人と会うと恥ずかしいと感じるまでになってきています。


2. コロナ禍による価値観の再評価

コロナ禍は人々の生活を一変させ、これまでの価値観を見直すきっかけとなりました。外出自粛やリモートワークの普及により、物理的な商品よりも、自宅での心地よい時間の過ごし方やメンタルヘルスの維持が重要視されるようになりました。また、社会的な不安や孤独感が増す中で、人々は精神的な充足感を求めるようになり、「心の豊かさ」が注目されるようになりました。


3. サステナビリティと倫理的消費の意識向上

さらに、環境問題や倫理的な消費行動への意識が高まる中で、単に所有するための物を買うという行為が見直されつつあります。消費者は、自分の消費行動が社会や環境に与える影響を考慮し、物質的な豊かさを追求するよりも、心の豊かさや持続可能な未来に貢献することを重視するようになっています。


中途半端な商品は売れない!消費者の厳しい目

消費者の価値観が変化する中で、企業はより一層、消費者の心を捉える商品やサービスを提供しなければなりません。中途半端な商品や、差別化されていない商品では、消費者の心を動かすことはできません。


1. 商品の差別化が不可欠

コモディティ化が進み、多くの商品が似たようなものになってしまっています。そんな中で生き残るためには、自社の商品やサービスを差別化し、競合他社との違いを明確にする必要があります。


最近では何かの商品が流行りだしても、流行は一瞬で終わってしまい、人々が同じ商品を持っていると流行遅れと感じるようになってしまっています。今の市場は、人と同じを嫌がる傾向にあるため、マスマーケティングが難しくなってきているのです。


2. ストーリーテリングの重要性

商品やサービスにストーリーを盛り込むことで、消費者の心に響くことができます。なぜこの商品を開発したのか、どのような想いが込められているのか、といった背景を伝えることで、商品への共感を得ることができます。


3. ブランドイメージの構築

一貫したブランドイメージを構築することで、消費者に信頼感を与えることができます。ブランドロゴ、キャッチコピー、デザインなど、視覚的な要素だけでなく、企業理念や行動指針なども含めて、ブランドイメージを構築することが重要です。


「心が豊かになる商品やサービス」とは?


体験型消費

1. 体験型の消費

「心が豊かになる商品やサービス」の代表例として、体験型の消費が挙げられます。物を所有することよりも、心に残る体験や記憶を得ることに価値を見出す消費者が増えています。例えば、旅行、アート、音楽イベントなどは、物質的な所有ではなく、心に深く刻まれる体験を提供することで、消費者の心を満たしています。


2. 自己成長と自己実現を促す商品・サービス

もう一つの例として、自己成長や自己実現を促す商品・サービスが挙げられます。これには、オンライン教育、スキルアップのための講座、パーソナルコーチングなどが含まれます。これらのサービスは、消費者が自身の成長を実感できる機会を提供し、物質的な豊かさでは得られない深い満足感をもたらします。


3. 感情に訴える商品・サービス

感情に訴える商品やサービスも、心の豊かさを提供する一環です。例えば、「推し活」と呼ばれる文化が流行しているように、ファン活動は消費者の心を満たし、幸福感を提供する重要な要素となっています。お気に入りのアイドルやキャラクターを応援することは、消費者にとって大きな喜びや安心感をもたらし、その結果、関連商品やサービスに対して積極的に消費を行うようになります。


中小企業が提供すべき「心が豊かになる」商品・サービスとは?


体験型消費

1. 商品・サービスのストーリーテリング

物語性のある商品やサービスは、消費者の心を捉える力を持っています。商品が持つ背景や製作者の想い、利用者のエピソードなど、感情に響くストーリーを持つことで、単なる物質以上の価値を提供できます。これにより、消費者は商品を購入することで心の豊かさを得ることができ、リピート顧客になる可能性が高まります。


2. パーソナライズされた体験の提供

消費者一人ひとりに合わせたパーソナライズされた体験も、心の豊かさを提供する鍵となります。例えば、オーダーメイドの商品やカスタマイズ可能なサービスなど、消費者の個性やニーズに応じた選択肢を提供することで、心の満足感を高めることができます。


3. 社会貢献やサステナビリティを重視した商品・サービス

現代の消費者は、自分の消費行動が社会や環境に与える影響を意識しています。中小企業が提供する商品やサービスが、社会貢献やサステナビリティを重視したものであれば、消費者はそれを購入することで自分も社会貢献しているという満足感を得ることができます。これにより、物質的な満足だけでなく、心の豊かさを提供することができます。


まとめ

消費者の消費マインドは「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと移行しており、コロナ禍を契機にその傾向はさらに強まっています。中小企業の経営者は、この変化を踏まえ、消費者が心から満足できる商品やサービスを提供することが求められます。体験型の消費、自己成長を促す商品、感情に訴えるサービス、パーソナライズされた体験、社会貢献やサステナビリティを意識した商品など、心の豊かさを提供できる方法を探り、積極的に取り入れることが、これからの時代において成功するための鍵となるでしょう。


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リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

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