top of page

中小企業経営者は要注意!組織拡大で発生する問題点と解決策について


ビジネスが順調に拡大していくと、企業の成長は喜ばしいことです。しかし、組織が大きくなるにつれて、これまで問題になっていなかったことが次々と表面化してきます。特に中小企業では、組織の規模が大きくなることで新たな課題が発生しやすくなります。ここでは、組織拡大に伴って発生する3つの主要な問題点について詳しく解説します。


1. 評価制度の問題点


評価に納得がいかずモチベーションが低下する社員

組織が小規模であれば、経営者自身が従業員一人ひとりの仕事ぶりや成果を直接観察し、公正な評価を下すことが容易です。しかし、組織が拡大するにつれて、個々の従業員のパフォーマンスを正確に評価することが難しくなります。評価が曖昧であると、モチベーションの低下や離職の原因にもなりかねません。


1-1. 公正な評価基準の必要性

組織が大きくなると、業務内容や責任範囲が多様化します。それに伴い、公正で一貫性のある評価基準を確立することが重要です。評価基準が不明確なままでは、従業員の努力が報われないと感じることが多くなり、モチベーションの低下を引き起こします。評価基準を明確にするためには、具体的な目標設定とその達成度合いに基づいた評価システムを導入する必要があります。


1-2. フィードバックの重要性

また、評価のプロセスにおいて、従業員に対するフィードバックの頻度や質も問題になります。定期的なフィードバックを行うことで、従業員は自分のパフォーマンスを理解し、改善点を把握することができます。特に成長過程にある中小企業では、迅速なフィードバックを通じて、従業員の成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上につなげることが求められます。


2. 情報共有の問題点

組織の規模が拡大すると、情報の伝達や共有が滞ることがよくあります。従業員が増えると、情報が適切に伝達されない、もしくは一部の従業員が重要な情報を得られないといった問題が生じる可能性があります。情報共有の不備は、意思決定の遅れや業務の効率低下を招き、最終的には業績に悪影響を与えます。


2-1. 情報共有のシステム化

情報共有を円滑に進めるためには、システム化が必要です。例えば、社内の情報共有ツールやプラットフォームを導入し、誰もが必要な情報にアクセスできる環境を整えることが重要です。これにより、情報の流れを一元化し、従業員間のコミュニケーションを促進することができます。また、定期的な会議やミーティングを通じて、重要な情報を迅速に共有し、組織全体の連携を強化することも有効です。


2-2. 情報の透明性と信頼性

情報共有の際には、情報の透明性と信頼性も重要です。経営者や管理職は、可能な限り透明性の高い情報を提供することで、従業員の信頼を得ることができます。組織が拡大する過程で、情報が一部の従業員にしか共有されない場合、不信感が生まれることがあります。このような状況を避けるためにも、透明性のある情報共有が不可欠です。


3. 役割分担の問題点


仕事の役割分担で喧嘩する従業員

組織が小規模な段階では、従業員が複数の役割を担い、柔軟に対応することが求められることが多いです。しかし、組織が拡大すると、役割の曖昧さが問題となりやすくなります。明確な役割分担がなされていないと、業務の重複や責任の所在が不明確になり、業務効率の低下やトラブルの原因となります。


3-1. 役割の明確化

組織が拡大するにつれて、各従業員の役割を明確にし、責任範囲を明示することが重要です。役割分担が不明確なままでは、従業員同士の連携が不十分になり、業務の進行がスムーズにいかなくなります。具体的には、各部門やチームの役割と目標を明確に設定し、それに基づいて業務を割り振ることで、役割の重複や業務の抜け漏れを防ぐことができます。


3-2. 権限委譲とリーダーシップ

また、組織の拡大に伴い、権限委譲が重要になります。全ての意思決定を経営者一人で行うことは不可能です。そのため、各部門やチームのリーダーに権限を委譲し、彼らが自律的に判断し行動できる環境を整えることが必要です。これにより、迅速な意思決定が可能となり、組織全体の効率が向上します。


まとめ

組織の拡大は企業の成長にとって重要なステップですが、その過程で新たな問題が発生することを理解しておく必要があります。特に中小企業の経営者は、評価制度、情報共有、役割分担の3つの主要な問題点に対して、適切な対策を講じることが求められます。これらの問題を未然に防ぎ、組織全体のパフォーマンスを向上させるためには、計画的な組織運営と継続的な改善が不可欠です。経営者は、組織の成長とともに生じる課題に対して柔軟に対応し、強固な組織基盤を築くことが、企業のさらなる発展につながるのです。


経営の困りごとはリットコンサルティングにお気軽にご相談ください

経営コンサルティング唯一の国家資格である中小企業診断士が、御社の悩みに寄り添い解決策をご提案いたします。「どの補助金を活用すればよいのか分からない」、「売り上げの伸ばし方が分からない」、「組織強化を図りたい」など、困りごとがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。



リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

掲載記事

タグ

bottom of page