top of page

ホウレンソウが人の成長を止める!? ホウレンソウの徹底が指示待ち人間を作る理由


中小企業の経営者にとって、社員が主体的に行動し、自分で考えて問題を解決できることは非常に重要です。しかし、多くの企業で行われている「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)の徹底が、逆に社員の成長を阻害し、指示待ち人間を生み出してしまうケースがあります。この記事では、ホウレンソウの徹底がなぜ人の成長を止めるのか、なぜ指示待ち人間を作り出してしまうのか、そしてホウレンソウをどのように活用すれば社員の主体性を育てることができるのかについて考えてみましょう。


1. ホウレンソウの徹底がもたらす落とし穴


上司に報告する従業員

「報告・連絡・相談」の頭文字を取って「ホウレンソウ」。

業務を進める上で、上司へ状況を報告し、連絡を取り、相談することは、円滑なコミュニケーションを図る上で非常に重要です。しかし、ホウレンソウを徹底しすぎることで、かえって社員の成長を阻害し、指示待ち人間を生み出してしまうケースも少なくありません。


2. ホウレンソウの徹底が指示待ち人間を生む理由

ホウレンソウは、上司と部下のコミュニケーションを円滑にし、情報共有や問題解決のスピードを上げるために重要な手段です。しかし、ホウレンソウを徹底するあまり、社員が「報告しなければならない」「上司の指示を待たなければならない」といった考えに陥ることがあります。このような状況が続くと、社員は自分で判断する機会を失い、問題解決の能力が育たないまま、常に上司の指示を待つ「指示待ち人間」になってしまいます。


この現象が起きる主な理由として以下の点が挙げられます。


2-1. 自律性の欠如

ホウレンソウを過度に重視すると、社員は自主的な判断を避けるようになります。特に若手社員や経験の浅い社員は、間違いを恐れるあまり、上司の指示を待つ姿勢をとりがちです。結果として、自ら考えて行動する能力が養われず、自律性が欠如した状態になってしまいます。


2-2. リスク回避の習慣化

ホウレンソウの徹底は、リスクを回避するための手段として機能しますが、それが過度になると、社員はリスクを避けることばかりを考えるようになります。失敗を恐れるあまり、新しい挑戦や創造的な解決策を試みる意欲が削がれ、現状維持を優先するようになります。


2-3. 成長機会の喪失

人は失敗を通じて学び、成長するものです。しかし、ホウレンソウが徹底されていると、失敗を恐れて報告に頼るばかりで、自ら問題を解決する機会が減ってしまいます。これにより、社員の成長機会が奪われ、長期的には組織全体の成長にも悪影響を及ぼします。


3. 自分で考える社員を育てるためのホウレンソウの活用方法


上司に自分の考えを伝える従業員

では、ホウレンソウをどのように活用すれば、社員の主体性を育て、成長を促すことができるのでしょうか?ここでは、いくつかのポイントを挙げてみます。


3-1. ホウレンソウの目的を明確にする

ホウレンソウは単なるルールとしてではなく、チームの一体感を高め、共通の目標に向かって進むためのツールとして位置づけるべきです。そのためには、ホウレンソウの目的を社員にしっかりと伝え、ただ報告するためではなく、情報共有を通じてチーム全体の成果を最大化するための手段であることを理解させることが重要です。


3-2. 自己解決の機会を与える

社員に対して、問題を報告する前にまず自分で解決策を考えさせる時間を与えることが大切です。上司がすぐに答えを出すのではなく、まずは社員に考えさせ、どう行動すべきかを自ら導き出すプロセスを尊重しましょう。これにより、社員は自分で考える習慣を身につけることができます。


3-3. 失敗を許容する文化を作る

失敗を恐れて行動しない社員が多い場合、組織として失敗を許容する文化を育むことが必要です。社員が安心してチャレンジできる環境を整えることで、自律的な行動が促進され、結果的に社員の成長を支援することができます。


3-4. フィードバックを重視する

ホウレンソウの際に、上司は単なる報告を受けるだけでなく、社員に対して建設的なフィードバックを提供することが重要です。フィードバックは、社員が自己改善のための具体的なアクションを起こすための指針となり、自ら考えて行動する力を育てます。


3-5. ガイドラインを設定し柔軟に対応する

ホウレンソウのルールを完全に撤廃するのではなく、必要に応じてガイドラインを設定し、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。例えば、特定のプロジェクトや業務においてはホウレンソウを重視し、その他の状況では社員の自主性を尊重するなど、バランスを取ったアプローチが重要です。


まとめ

ホウレンソウの徹底は、情報の共有や業務の円滑化には有効ですが、その一方で、過度に依存すると社員の自主性や成長を阻害するリスクがあります。中小企業の経営者としては、ホウレンソウをただのルールとして押し付けるのではなく、その目的と役割を再評価し、社員が自ら考え、成長できる環境を整えることが重要です。これにより、指示待ち人間を防ぎ、組織全体の成長と成功を促進することが可能となるでしょう。


経営の困りごとはリットコンサルティングにお気軽にご相談ください

経営コンサルティング唯一の国家資格である中小企業診断士が、御社の悩みに寄り添い解決策をご提案いたします。「どの補助金を活用すればよいのか分からない」、「売り上げの伸ばし方が分からない」、「財務体質の改善をしたい」など、困りごとがありましたら、まずはお気軽にご相談ください。





リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

掲載記事

タグ

bottom of page