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お客様が求めているものはものの豊かさではない!お店が理解していない、お客様の求めるものとは?


内閣府の世論調査が示すように、現代の消費者は、かつてのように「モノ」の充実を追い求めるのではなく、「心の豊かさ」や「毎日の生活の充実」を重視する傾向にあります。この変化は、私たちの社会が成熟し、物質的な豊かさがある程度満たされた結果と言えるでしょう。


しかし、多くの企業、特に中小企業は、いまだに「モノ」を売ることに注力し、顧客の心の声に耳を傾けていないのが現状です。このミスマッチが、多くの企業の売上停滞や顧客離れにつながっているのです。


なぜミスマッチが発生してしまうのか?



お客様の求めるものが分からない経営者

1. 時代の変化に対する認識の遅れ

多くの企業は、かつての成功体験に基づいて経営戦略を立てています。過去には「ものの豊かさ」が顧客の求める主要なニーズであったため、その成功体験が強く残っているのです。しかし、時代は変わり、消費者のニーズも変化しています。その変化に気づかず、過去の成功体験に固執することで、顧客の真のニーズに応えられなくなっています。


2. 定量的なデータの過信

多くの企業は、売上や利益といった定量的なデータを重視しがちです。これらのデータは重要ですが、消費者の感情や価値観といった定性的な側面を見逃してしまうことがあります。心の豊かさや日常の楽しみといったニーズは、数値化しにくいものです。そのため、これらを見過ごし、物質的な豊かさに焦点を当ててしまうのです。


3. マーケティング手法の固定観念

多くの企業は、伝統的なマーケティング手法に頼りがちです。広告や販促活動において、商品の機能や価格といった具体的な要素を強調することが一般的です。しかし、現代の消費者は、商品の背景にあるストーリーやブランドの価値観、さらには体験そのものに魅力を感じることが多くなっています。伝統的な手法では、これらの要素を十分に伝えることが難しいため、消費者の心に響かないのです。


お客様が求める「心の豊さ」とは?

現代の消費者が求めている「心の豊かさ」とは、物質的な豊かさや所有物の数ではなく、精神的な満足感や幸福感、生活の質の向上を指します。これには以下の要素が含まれます。


1. 体験と感動

消費者は、物を購入するだけでなく、その過程や結果として得られる体験や感動を重視します。例えば、旅行やイベント、趣味活動など、人生を豊かにする経験が求められています。これにより、心に残る思い出や感動が得られ、日々の生活が充実していきます。


2. 人とのつながり


コミュニティに参加して人とのつながりを得る

人とのつながりやコミュニティの一員であることも心の豊かさに寄与します。家族や友人との交流、職場や地域社会での関わりを通じて、安心感や帰属感を得ることができます。これにより、孤独感が軽減され、心理的な安定がもたらされます。


3. 自己実現と成長

自己実現や成長の機会も心の豊かさに含まれます。自分の才能や能力を発揮し、目標に向かって努力する過程で得られる達成感や満足感は、精神的な充実感をもたらします。。例えば、あなたが新しいスキルを身につけたり、目標を達成したときの喜びを思い出してください。お客様も、自己実現や成長を感じられる商品やサービスを求めているのです。


4. 健康とウェルビーイング

心の豊かさは、身体的な健康とも密接に関連しています。健康であることが心の安定につながるからです。健康な生活を送ることで、日々のストレスを軽減し、幸福感を感じられるはずです。


5. 意味と価値のある生活

消費者は、単なる消費活動ではなく、意味や価値を感じる生活を求めています。社会貢献活動やボランティア、環境に配慮した行動など、自分の行動が他者や社会に対してポジティブな影響を与えることが、精神的な充実感をもたらしてくれます。


6. 安心感と安定感

未来に対する不安を軽減し、日々の生活に安心感と安定感を求めることも心の豊かさの一部です。経済的な安定や住環境の安定、安全な生活環境が提供されることで、心理的な安定が得られます。


7. 美と自然との触れ合い

美しいものや自然との触れ合いも心の豊かさに貢献します。美術館や音楽、自然散策やガーデニングなど、美的な経験や自然との触れ合いが心を癒し、リフレッシュさせる効果があります。アウトドアブームが起きたのも、こういった効果が求められた結果だと考えられます。


なぜ「心の豊かさ」を求めるのか?

現代社会は、情報過多、競争の激化、孤独感など、様々なストレスを抱えやすい環境です。人々は、これらのストレスから解放され、心の平穏や幸福を求めています。


また、物質的な豊かさがある程度満たされた現代においては、「モノ」よりも「コト」に価値を見出す傾向が強まっています。つまり、高価なブランド品を持つことよりも、大切な人と過ごす時間や、新しいことを学ぶ体験の方が、より大きな満足感を得られると考える人が増えているのです。


ミスマッチをどう改善するか?


お客様の声を直接聞くスタッフ

1. 顧客の心を理解する

消費者が何を求めているのかを理解するためには、消費者の心に寄り添うことが重要です。消費者が何を感じ、何を求めているのかを深く理解するために、定期的なアンケートやインタビューの実施、リアル店舗での接客現場での情報収集など、消費者の声を直接聞くことが大切です。また、SNSなどのデジタルツールを活用して、消費者のリアルタイムな反応や意見を収集することも有効です。


2. 体験価値の提供

物の販売に留まらず、体験価値を提供することが重要です。例えば、商品を購入することで得られる喜びや満足感、そしてそれを使用することで得られる新たな体験を強調するマーケティング戦略を展開することが求められます。消費者が商品を手にするだけでなく、その商品を通じて豊かな生活を実現できるようなストーリーを提供することが、現代の消費者の心を掴む鍵です。


3. 共感を生むコミュニケーション

企業と消費者の間に共感を生むコミュニケーションを促進することが重要です。企業が消費者との信頼関係を築くためには、一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションを重視することが大切になってきます。消費者の意見や感情に対して真摯に向き合い、その声を反映した商品開発やサービス改善を行うことで、消費者との信頼関係を築くことができます。


4. 社員教育と企業文化の改革

企業内部での価値観の固定化を防ぐためには、社員教育や企業文化の改革が必要です。消費者ニーズの変化に対応するための柔軟な思考や、新しいマーケティング手法に対する理解を深めるための研修を定期的に実施することが効果的です。また、社員一人ひとりが自らの役割を理解し、消費者の視点に立った行動を取ることができるような企業文化を醸成することも重要です。


5. データ分析とフィードバックの活用

現代のマーケティングでは、データ分析が不可欠です。消費者の行動データや購買データを詳細に分析し、その結果を基にマーケティング戦略を練ることで、より的確なアプローチが可能となります。また、消費者からのフィードバックを定期的に収集し、それを基に商品やサービスの改善を行うことで、消費者ニーズに迅速に対応することができます。


規模の小さい中小企業や、自社で顧客管理システムが無かったりする場合は大掛かりなアンケートを行うことが難しいのが現実です。そのような場合は、ターゲットに近い消費者集団を集めて、座談会のような形で消費者の情報を獲得していくことも有効です。


まとめ

キャンプでリラックスすることで心の豊かさを得ている

現代の消費者が求めているのは、物質的な豊かさではなく、心の豊かさであるという事実を理解することが、企業にとって重要です。消費者の心に寄り添い、体験価値を提供することで、消費者との信頼関係を築き、ミスマッチを解消することが可能となります。顧客の真のニーズを理解し、それに応えるための具体的な施策を講じることで、企業は現代の消費者に対してより効果的なアプローチを行うことができるでしょう。


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リットコンサルティング合同会社代表写真

中小企業診断士
​田村雅紀

地方移住をきっかけに、ブランドCEOから中小企業診断士にキャリアチェンジ。

​広島の中小企業の経営者の悩みを一緒に解決していけるよう、伴走支援を行っています。

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